「院内集会 7.9安保法制に反対する医療福祉関係者のつどい」概要報告

「院内集会 7.9安保法制に反対する医療福祉関係者のつどい」の概要を報告します。

2015年7月9日、「院内集会 7.9安保法制に反対する医療福祉関係者のつどい」が開催されました。主催は全国保険医団体連合会、全日本民主医療機関連合会、日本医労連、9条の会・医療者の会の4者。会場は衆議院第1議員会館大会議室(B1F)。

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集会は3部構成で進行しました。司会は杉山正隆さん(福岡・歯科医師・ジャーナリスト)。

第1部は「白衣を再び戦場の血で汚すな」

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本田宏先生(医師)

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五十嵐真理子さん(看護師)

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太田啓子弁護士

弁護士・太田啓子氏(明日の自由を守る若手弁護士の会)

弁護士をしている太田啓子を申します。「憲法カフェ」という、憲法について勉強してもらうというのを、2012年の12月、第二次安倍政権成立のときから始めました。これまで100回ぐらいやってきた。憲法の関心を高めていきたいという思いでやってきた。

今の状況で何が一番問題化とおもっていると、多くの市民の方が憲法を国家権力を縛る者だと言うことを知らない。国民が憲法を守らないといけないと思っていた。国会でも、少なくない人がそう思っているのではないかと思います。自民党の政治家の語録を紹介しているが、磯崎首相補佐官の「立憲主義という言葉は聞いたことがない」という発言、安倍総理の「憲法は国家権力をしばるという考え方があるが、それは昔の考え方である」、中谷防衛大臣の「法案に適合するように憲法を変えていく」。このように、国会の中枢にいる人は憲法が何かを知らない。九条を変える変えない以前の問題で、憲法について語る資格がない。

小さいお子さんがいるお母さんに話をしてきました。子どもの体調とか健康とか将来とかに反射神経的に反応してしまうのがお母さんです。経済的徴兵があるのではないかと危惧しています。医療関係ですが、防衛医科大学校に入りませんがというので、苦学生募集中という言葉が露骨に書かれたチラシがありました。あたかも自分の意志で入隊したかのように期待して、育てて、巻き込んでいこうという流れが多いと思います。

憲法変える変えない以前に、法治国家をやめますか、やめませんかと問われている状況で、研究室を飛び出した憲法学者の方々が数日前にリレートークをされた。九州の活水女子大学の先生が、国民保護法にもとづいて、長崎の空港でテロがあったらどうするかという想定で、国民保護法にもとづく演習があって、栄養学と看護師の学生さんが授業の一環として動員されたことがあったそうです。数年前の話ですが、授業の一環として行かされたが、お金がないから自衛隊にいこうということが起こりえる。今後、民間人が戦地にいくということも広がるのではないかと思います。戦争の民営化という中で、医療・通信・運輸に関しては、民間人のつもりだったが、場所が戦地だったということがあるのではないかと思っている。当事者が発信をしていかないといけないと思う。医療現場からの発信はたくさんあると思う。防衛費にお金がまわると、社会保障費にお金がまわらなくなる。オスプレイ購入費用が社会保障が削られているという実績もある。

人間の生命が大事されるかどうかが問われる中で、医療現場のニーズはあると思うので、発信をしてください。憲法カフェは希望を感じる。去年だったら来なかった人や、いつか憲法の学習をしようかなと思った人が、参加するようになってきた。仮に法案が通っても、大反対を押し切って通るのと、無風で通るのとでは違います。特定秘密保護方はあれだけ反対があって通ったことに「あれ」と感じる人がいました。今世論を高めて、積極的に関わっていきたいと思う。皆さんからも勉強したいと思います。

小池晃議員(医師)

医師の国会議員を代表して、小池晃さん(日本共産党参議院議員)から挨拶いただきました。小池さんは久しぶりに白衣を着て登壇したと会場を笑わせてから、おおよそ下記のような挨拶をされました。

小池晃・参議院議員の挨拶

今日は医師の国会議員という立場で発言をさせていただきたいと思います。久しぶりに白衣も着ました。尊敬する日野原重明先生がメッセージを寄せてくださっていて、「人のいのちの重要性は、医師が一番よく知っています。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと私は考えています」。この言葉に、真正面から応えなければいけないと思っています。反対世論は、国会の議論が進めば進むほど広がっています。憲法学者のほとんどが憲法違反であると言っています。菅官房長官は、憲法違反でないという憲法学者も沢山いると言っていましたが、具体的には3人しか挙げられませんでした。1、2の次はいっぱいということでしょうか。これは当然だと思います。日本の憲法九条は戦争を放棄し、武力行使、武力による威嚇を禁止し、のみならず、戦力を保持しない、交戦権を否認する、こういう憲法のもとで、自衛隊そのものが憲法違反であるし、ましてやこの自衛隊を海外に出して武力行使するなどということを、この憲法が許容しているとは、どこからどう読んでも読めないということではないでしょうか。今日、安倍首相は、自分のおじいさんの岸首相が安保を通したときも反対の声が多かった。でも、20年30年経って安保は認められた。こんなことも言っています。結局、反対の声がどれだけ広がろうとも無視すると宣言しているものに他ならない、立憲主義の根本を否定している、民主主義の根本を否定するとんでもない発言ではないかと思います。今回の法案、医療関係者にとっても決して遠い話ではありません。事態対処法の第五条・第六条にはなんと書いてあるか。

第五条 地方公共団体は、「国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する。」

第六条 指定公共機関は、国及び地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、その業務について、必要な措置を実施する責務を有する。

指定公共機関は日赤や民間も含まれることになります。この条文はこれまでと変わりません。武力攻撃事態等としています。しかし今回、存立危機事態という名のもとに集団的自衛権を行使する。集団的自衛権というのは、日本が攻撃されていないときに攻撃するわけですから、相手国にすれば先制攻撃なのです。まさに武力攻撃事態が限りなく広がっていくことになります。政府も存立危機自体事態と武力攻撃事態というのは併存すると言っています。結局、医療従事者が動員される。この法文を根拠に、存立危機事態の名の下に、日本が先制攻撃の戦争に加わり、その結果、大量の医療従事者が戦地に動員される。そういうことが含まれている中身だと私は訴えたいし、第八条には国民の協力というのがあって、武力攻撃事態等において対処措置を実施する場合は必要な協力を求めると。私は医師だ、命を守るために仕事をしているので戦争協力はしないといえば、この条文に照らして、まさに非国民だと言われることがあるということです。重要影響事態法は、今までの周辺事態という名前を外して、地理的限定をはずし、「第九条 関係行政機関の長は、地方公共団体の長に対し、必要な協力を求めることができる。②前項に定めるものの他、関係行政機関の長は、法令及び基本計画にしたがい、国以外の者に対し必要な協力を依頼することができる。」こういう名の下に、世界のどこでアメリカが戦争をしても、その後方支援活動に、医療従事者を動員する、協力要請をできるようになっているのです。これはまさに、日本中の医師・看護師が立ちあがって、こんな戦争協力の法案は許せないと声をあげるときではないでしょうか。党派をこえて、力をあわせていこうではありませんか。そのために、私も国会の中であらゆる人々と力をあわせてがんばり抜く決意ですので、院の内外で戦争勢力を包囲して、手足を縛って、命を守る医師、医療従事者の本来の役割を実現できる政治を目指すために、ともにがんばりましょう。ありがとうございました。

 

第2部は「紛争地の現実と医療支援」

日本イラク医療支援ネットワーク事務局長の佐藤真紀さんがイラクからビデオ出演。イラクでいま何がおきているのか、紛争地で命がいかに軽くあつかわれているのかを伝えてくれました。IMG_9478

つづいて、憲法9条をノーベル平和賞にの鷹巣直美さんが、どうして自分が憲法9条にノーベル賞をと行動に踏み出したのかの原点が、オーストラリア留学時に紛争地から逃れてきた人たちとの出会ったことであることを紹介。ビデオでイラクの現状が紹介された後だっただけに、涙をこらえながらの訴えとなりました。IMG_9484

第3部は「法曹界と医療界がスクラム」

日弁連の憲法問題対策本部長代行の山岸良太日弁連副会長が挨拶されました。この日、衆議院の第ニ議員会館では同時刻に日弁連の集会も開催されており、緊迫した情勢の中、医療者の立ち上がりに期待したいと挨拶されました。IMG_9487 (1)

山岸良太氏(日本弁護士連合会元副会長、憲法問題対策本部本部長代行)

日本弁護士連合会の憲法問題対策本部本部長代行の山岸です。今日、遅参したのは、同じ時間に日弁連でも、衆議院第二議員会館で安保法制に反対するという院内学習会を行っていて、憲法学者の長谷部さんや元最高裁判事の那須さんからお話しをいただき、また、野党各党の幹事長クラスの方からも意見表明をいただき、今お名前の紹介がされて先生方もそちらでお会いしていたというところで、遅参して申し訳ありませんでした。

法曹と医療界のスクラムと言うことですが、とても大事なことだと思っています。戦争になると、軍隊も負傷します。戦争というのは、国が人間に対して人殺しをしろ、人と人が殺しあいをするとうことで、文明国として、道徳を考える国として認められるものではありません。その現場では、医療関係者もものすごい現実に直面しなければならないことは歴史が証明していますし、そうなれば、もし海外で戦争が起こって、日本がそれに巻き込まれることになれば、自衛隊の人も殺し殺されることに巻き込まれることになります。戦後70年、日本人は戦争して銃弾を発射したこともなければ、戦争で被害を受けた方もおられません。今回の安保法制が認められれば、奇跡的な平和な時代が日本から失われると考えています。弁護士は弁護士法一条で、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という使命を与えられています。人権の擁護、人と人が殺し合う戦争は最大の人権侵害です。戦争をしようと思えば、普通の人々の人権も保障されなくなってしまいます。ましてや、普通の人の人権が抑制されているところでは、ハンディキャップを持っている方や、様々な障害を持っている方の人権は守られようはずがありません。そういう時代にきています。

今問題になっているのは、立憲主義との考え方です。国会で3人の憲法学者が、与党が呼んだ学者の方も、この法律は憲法に違反している。なぜなら、過去何十年と、憲法に違反しているから集団的自衛権は行使できませんと説明してきたのが、昨年の7月1日、突然、「実は出来たんです」と。こんなバカな話はあるかと憲法学者の人たちも怒っています。さらに、憲法学者が国会に呼ばれて意見を述べて、全員が違憲だと言ったのに、それに一顧だにせず、他の意見の人もいる。じゃあ最初からその人を呼べば良かったじゃないか、という理屈になります。弁護士会では、全国52の単位会も、この閣議決定により、集団的自衛権の行使や後方支援という名の武力行使一体を認める安保法案に反対しているということでございます。

今日は、保険医の先生方も立ちあがって、医師も平和に従事したい、戦争に手を染めるのはイヤだという気持ちは痛いほどよく分かりますし、いざとなったら、最前線に行かないといけないお仲間の方もおられると思いますので、皆さんと一緒になって何とか阻止したいと思います。ともに頑張りたいと思います。ありがとうございました。

本日の集会の主催団体である保団連の住江憲勇会長、日本医労連の中野千香子委員長と、全日本民医連の岸本啓介事務局長が握手している姿です。IMG_9497 (2)

 

集会の最後には、この集会にあてた聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明先生からのメッセージが読み上げられました。「医療人こそ平和の最前線に立って行動すべき」の言葉が印象的です。メッセージ-4

メッセージ

私たちが、究極的に守りたいものは、天から与えられためいめいの命です。どんな外力をも排して、守り貫かなければなりません。

人間の一番残虐な行為は、自らを守るために他を殺すことです。人命を守ることは人間の本性でなくてはなりません。アルベルト・シュバイツァーは次のように述べています。「人間に対する真実の愛(いのちへの畏敬)とは、ともに経験し、ともに苦しみ、そして助けること」つまり相手のことを自分のように考えること、「恕す」ということです。

シュバイツァーは人生の最後にノーベル平和賞を受賞していますが、我々も彼の発言に従って平和を守りたいと思います。

W・オスラーが言う如く、人のいのちの重要性は、医師が一番よく知っています。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと私は考えています。

2015年7月6日

聖路加国際病院 名誉院長 日野原重明

集会には、日野原先生の他、長崎大学元学長/元医学部長の土山秀夫医師や全国自治体病院協議会会長の邉見公雄医師、鳥越俊太郎さん、宝田明さんなどからもメッセージが寄せられました。

 

 

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takarada集会の最後を締めくくるのは、赤ちゃんの上にオスプレイの影がさすポスターを参加者全員が掲げて写真撮影。

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集会終了後、雨天だったこともあり、座り込みを続けるみなさんへの連帯行動として、白衣を着た医師・看護師によるリレートークも行われました。

集会終了後のリレートークの様子です。
IMG_9507弁護士の太田さんにも再度ご登場いただき、本日の感想もふくめご挨拶をいただきました。IMG_9575

最後に廃案を求めコールしました。最後に廃案を求めコールしました。

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