天野 恵⼦(静⾵荘病院)
笠原 浩(松本⻭科⼤学)
鎌⽥ 實(諏訪中央病院)
杉浦 康夫(名古屋学芸⼤学)
丹治 伸夫(医療⽣協わたり病院)
朝⻑ 万左男(⻑崎⼤学⼤学原爆後障害医療研究所)
中沢 正夫(代々⽊病院)
橋本 葉⼦(東京⼥⼦医科⼤学)
堀⼝ 雅⼦(産婦⼈科医師)
森 昌彦(朝⽇⼤学⻭学部)
森本 基(⽇本⼤学名誉教授・⼝腔保健)
⾊平 哲郎(佐久総合病院)
中川 武夫(中京⼤学)
住江 憲勇(全国保険医団体連合会)
⾼橋 明(東北⼤学⼤学院)
⼭内 ⼀征(瀬⼾旭医師会)
永井 和男(兵庫医科⼤学)
川越 厚(ホームケアクリニック川越/医療法⼈社団パリアン)
泉 孝英(京都⼤学)
肥⽥ 泰(浦和⺠主診療所/全⽇本⺠医連)
太⽥ 展⽣(おおた⼩児科アレルギー科クリニック)
安⽥ 慶秀(北海道⼤学/NTT東⽇本札幌病院)
⾜⽴ 了平(ときわ病院⻭科⼝腔外科)
川嶋 みどり(健和会臨床看護学研究所⻑ ⽇本⾚⼗字看護⼤学名誉教授)
沢⽥ 貴志(港町診療所)
徳⽥ 安春(群星沖縄臨床研修センター)
福島 雅典(京都⼤学)
邊⾒ 公雄(NPO地域医療・介護研究会ジャパン)
本⽥ 宏(NPO法⼈医療制度研究会)
増⽥ 剛(全⽇本⺠主医療機関連合会)
宮沢 裕夫(⻑野県保険医協会)

戦争しない国のために、9条の会・医療者の会2022年アピール

2022年9月
「九条の会」アピールを支持する医師・医学者の会
(九条の会・医療者の会)
呼びかけ人一同

今年7月に行われた参議院選挙の結果、改憲勢力が衆議院においても参議院においても3分の2を占める事態となりました。岸田文雄首相は、参議院選挙直後、マスコミへのインタビューに答えて、「(改憲)発議のための『3分の2』結集のために努力を続けて、出来るだけ早く発議し、国民投票に結び付けていく」と述べています。また、今年の通常国会において、衆院憲法審査会が過去最多の16 回開かれたことも念頭に「久方ぶりに活発な議論が国会で行われた」「具体的な中身で3分の2が集まらなきゃいけない」と述べ、改憲発議に向けて与野党で議論を進めていく考えを示しています。今後、改憲に向けた動きの加速が懸念されます。

改憲勢力は国会で3分の2以上を占めましたが、だからといって、一直線に改憲にすすむという状況ではありません。各党の間には、改憲条項や姿勢に違いがあります。また、多くの有権者は改憲を望んでいるわけでもありません。

改憲勢力は、ロシアによるウクライナ侵略に乗じて、憲法九条を攻撃し、大幅な軍事費の増大や「敵基地攻撃」能力の保有を声高に叫び、さらには「核兵器の共有」まですすめようとしています。しかし、今必要なことは、敵対的な軍事同盟の強化や武力による威嚇ではなく、「ウクライナ侵略を許さない」「核による威嚇やめよ」の声を広げ、国際世論でロシアに迫ることです。

2020 年からの新型コロナウイルス感染症の拡大と長く続く不況と国民生活の困難は、深刻さを増しています。いま政治に求められているのは、憲法を変えることではなく、憲法を生かして、国民の生命と暮らしを守ることです。

私たちは、2004 年、九条の会の呼びかけに応えて、医療者の会を発足しました。この10 数年間、医療者の会は、医療者の集まりらしく、九条を守りぬくとともに人間の安全保障としての25 条の実現をともに考える多彩な講演会や行動を全国で実践してきました。この18 年間で賛同者は4千人を超えています。

医療者九条の会は、「憲法九条を守ろう」「憲法を生かした政治を」という声を広げていくことを全国津々浦々で一気に強めることを宣言します。

特に、立憲主義の擁護、「戦争から若者の命を守れ」の視点で、多くの法律家や教師、そして若者、さらに日本の憲法九条に共感と期待を寄せる世界の人々との共同の輪を広げます。全国的な行動が効果的に推進され、賛同をさらにひろげ、1万人の賛同者をめざします。

全国で日々、人の命と健康に関わっている医療・介護職のみなさん。戦争か平和か、日本は戦後最大の歴史的な岐路に立っています。Peace and Health for all を実現するために、今ここで発言し、行動しましょう。