『サンドラの週末』の監督・ダルデンヌ兄弟へのインタビューが赤旗(20150515)に掲載されています。

『サンドラの週末』は、職員へのボーナス支給のためにどうしても一人解雇せざるをえない会社から解雇を通告されたサンドラが、職場の同僚が自分のボーナスをあきらめるのなら解雇をとりやめるとの条件を提示され、同僚たち一人ひとり訪ね説得するというストーリーらしい。(見ていないけど)

日本では2015年5月23日から映画が公開されます。それに先立ち監督のダルデンヌ兄弟が来日。「しんぶん赤旗」のインタビューは兄弟が来日された機会をとらえたものです。

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インタビューの中で監督のジャン=ピエールさんは、「弱くもろいサンドラが、他の労働者の意見を変えるためにがんばり、他の労働者が変わって行くことで、自分も変わっていく。脆弱さに対する礼賛」の映画と考えていると語っているのが印象的です。

ダルデンヌ兄弟は、『ロルナの祈り』でも、競争社会の中、社会的に弱い立場に置かれたものが、他者に連帯するなかで人間らしさを取り戻していく姿を描いていますが、『サンドラの週末』でも働くものどうしが連帯できるように人が変わっていく「回路」を求めていることと通底しています。

ちなみに「しんぶん赤旗」で、『ロルナの祈り』を題材にした潮流が掲載されましたが、こちらも印象的なテキストですので紹介しておきます。

2009年2月12日「しんぶん赤旗」潮流
▼一人の女性のすてきな笑顔に、心を奪われました。はりつめた面持ちに、時おり冷酷ささえ宿していた人の、破顔一笑▼彼女の名は、ロルナ。映画「ロルナの祈り」の主人公です。ベルギーの町で暮らしています。アルバニアからの移民ですが、ベルギー国籍を得ています。ベルギー人と結婚しているからです。しかも、あえて麻薬中毒の男性と▼彼女は、ある一味の計画に加わっていて、夫の中毒死を待っている。ところが彼女は、もう一つの計画にかかわってしまう。夫自身が願った麻薬を断つ治療だ。二つの計画のはざまで揺れる彼女だが…▼初めて求め合った夜が明け、街にでた二人。彼の後ろ姿をみる彼女の顔に、不意に笑みがこぼれる。彼へのいとおしさ? 愛するよろこび? そんな感情の芽生えへのはじらい? さまざまに映るでしょう▼国籍を売買する裏商売がはびこる、ヨーロッパ社会の暗部も描いています。監督のダルデンヌ兄弟の兄、ジャン=ピエールは、いいます。「僕たちが生きる社会は…競争があるために、他者が敵対するライバルになってしまう。だから、その敵対関係から自由になる方法、つまり敵対関係をどのようにすればなくすことができるのかを示そうと思った」▼なるほど、主人公のゆくてはきびしいけれど、あの笑みの瞬間、彼女は無意識に、みずからゆがめ閉ざしてきた心を解き放ったはずです。人間らしく生きようともがく彼によりそい、連帯することで、自分も人間らしさを取り戻せるのだから。