本日、衆議院第ニ議員会館において、日本弁護士連合会(日弁連)主催の院内勉強会「安全保障法制」を問うが開催されました。

日弁連会長の村越進弁護士の開会挨拶は以下の様な内容でした。

日弁連会長・村越進弁護士の開会あいさつ

先日の憲法審査会において憲法学者の長谷部先生をはじめ3人の学者がが明確に安保法制を違憲と断言した事実を重く受け止めている。弁護士法第一条には、弁護士の使命として基本的人権を擁護し社会正義を実現することが任務とあるが、戦争は最大の人権侵害、人権は平和の中でければ守られない。したがって人権を守ることと平和を守ることは一体のことだ。政府のこの間のごまかしは、立憲主義・戦争をしない憲法に真っ向から反する。さまざまな違いをこえて国民が団結すべき時

そこから本来は元内閣官房副長官補の柳澤協二さんの特別講演と、伊藤真弁護士による日弁連憲法問題対策本部からの報告が予定されていた当初の予定が大きく変わることに。国会議員30人、秘書22人がつめかけ、次々と短いスピーチをされました。中でも圧巻だったのは、自民党の議員の中でただ一人声を出して安保法制は憲法違反だと唱える村上誠一郎さん。村上節炸裂です。

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自民党・衆議院議員 村上誠一郎さんのあいさつ

昨日の自民党総務会で執行部とやりあった。本当の事を国民に知ってほしい。昔の政治家は聞く耳を持っていた、小選挙区制度になって、党本部に人事まで握られ、2年前の特定ヒミツ法の時は大島、谷垣までが反対したが、それがいまでは自分一人だ。公務員も公務員法改訂に私は反対したが、人事を官邸にもっていかれたら、正論・本音を官僚は言わなくなった。国会議員の良心にかかわる問題であり、党議拘束をはずすべきだといったら、学者の違憲なんて聴く必要なしという。自民党はゴーマンになった。民主主義の根幹に関わる問題だ。マスコミも問題。2年前に私がそういったのに無視してきた。弁護士と国会議員のバッチを2つつけているWバッチの人たちの責任も大きい。結論は簡単だ。国会議員を説得して欲しい。国民に知らせて欲しい。ドイツで全権委任法が通って、ワイマール憲法をほうむりさった悪しき歴史を繰り返すのかどうかという危機だ。このままいけば、地球の裏に若者たちがいくことになる。自民党はいつから惻隠の情のない政党になってしまったのか。私の父は、警察予備隊の発足にかかわったが、防衛予算はできるかぎり少ないほうが良い、自衛隊のみなさんの安全は守らなければいけないと言い続けていた。ファシズムの危機だ。当たり前のことが当たり前でなくなることがいちばん危ない。アメリカの要求を次の世代の人たちが断れなくなる。軽率な判断はだめ

他にも、民主と追うの辻元清美さんの発言もおもしろかったです。

民主党・衆議院議員 辻本清美さんのあいさつより

「賛成の学者がたくさんいる」というならどんな人達か教えてくれ、いっぱいいるんだろ?と質問したら、出してきたのはたった3人。その言い訳が「量より質」だって

柳澤協二さんの講演では、安保法制の酷さについて、具体的な法案の中から3点指摘がされました。

柳澤協二さん(元内閣官房副長官補)の講演より

①自衛隊法95条の2で平時の同盟強力として米艦艇の防護について、武器等防護をおこなう現場の権限として「自衛官」はできるとある。米韓防護が実質的参戦・事態の拡大につながる。しかも現場の判断でできることになる。②88状について海外での行動については武力行使ではなく、武器使用といっている。ここでも「自衛官」が守護。相手を殺したら、海外でも殺人の構成要件に該当することになり、自衛官をフォローする法制もない。こんな法制で不幸になるのは自衛官だ。③リスクはないというが、格段の危険性があるのは明らか。米艦を守る→日米が強固であることを示す→抑止力が高まる→戦争にならないのではなく、米艦を守る→日本が敵対国になる→日本への攻撃を誘発する→戦争になる。こんなことでは自衛隊はなりたたない。安全保障の名に値しない

つづいて、伊藤真弁護士(日弁連憲法問題対策本部)からは、なぜ強制加入団体である日弁連がこの法案に反対するのかということを中心に報告がありました。

伊藤真弁護士による日弁連憲法問題対策本部からの報告

①弁護士法1条には基本的人権擁護、社会正義の実現が使命とある。社会正義のとらえかたはいろいろあったとしても、憲法の価値を実現する、力ではなく法によって回っていくような社会を実現すること(=立憲主義)についてはゆずれない点であり、この一点において弁護士会はまとまっている

②この間、全国の弁護士会が声明など次々と発信してきた。署名も261057筆集めた。なぜ弁護士がこのようなことをしているのか?明確に憲法に違反しているものを力によっておしきっていこうとされている。そんなことは許せない。交戦権の行使を憲法は否定してきた。そして自衛権の行使については、日本が武力行使を受けた時のみ、極めて例外的に行使ができるとして区別してきたものが、区別がなくなってしまう。集団的自衛権の行使によってどこでも武力行使ができるようになり、これでは交戦権の行使に等しい。砂川事件の判決がもちだされるが、都合のよい解釈をちからでおしつけるのは、立憲主義に反している

③国民と自衛官の命がこの法案で失われることがあってはならない。人権擁護の立場からそのような事態にならないように追及していく

④弁護士会は、先の大戦において国家総動員法にまきこまれた、同じ轍を踏んではいけない

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