「院内集会 7.9安保法制に反対する医療福祉関係者のつどい」開催されました(速報版)

2015年7月9日(木)12時より、衆議院第一議員会館地下の大会議室において「院内集会 7.9安保法制に反対する医療福祉関係者のつどい」が開催されました。

第一部は、「白衣を再び戦場の血で汚すな」として、医療制度研究会副理事長の本田宏さん、全日赤労組の五十嵐真理子さん、明日の自由を守る若手弁護士の会/憲法カフェ創設者の太田啓子さんからメッセージをいただきました。医師である国会議員のうち、安保法案に反対する医師議員の代表として小池晃さん(日本共産党参議院議員)がひさしぶりに白衣を着て登壇。最後までたたかおうとよびかけました。続いて第二部、「紛争地の現実と医療支援」として、日本イラク医療支援ネットワーク事務局長の佐藤真紀さんがイラクからビデオ出演。イラクでいま何がおきているのか、紛争地で命がいかに軽くあつかわれているのかを伝えてくれました。

 

つづいて、憲法9条をノーベル平和賞にの鷹巣直美さんが、どうして自分が憲法9条にノーベル賞をと行動に踏み出したのかの原点が、オーストラリア留学時に紛争地から逃れてきた人たちとの出会ったことであることを紹介。ビデオでイラクの現状が紹介された後だっただけに、涙をこらえながらの訴えとなりました。

続く第三部は「法曹界と医療界がスクラム」と題して、日弁連の憲法問題対策本部長代行の山岸良太日弁連副会長が挨拶されました。この日、衆議院の第ニ議員会館では同時刻に日弁連の集会も開催されており、緊迫した情勢の中、医療者の立ち上がりに期待したいと挨拶されました。下の写真は、保団連の住江憲勇会長、日本医労連の中野千香子委員長と、全日本民医連の岸本啓介事務局長が握手している姿です。

集会の最後には、この集会にあてた聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明先生からのメッセージが読み上げられました。「医療人こそ平和の最前線に立って行動すべき」の言葉が印象的です。メッセージ-4

メッセージ

私たちが、究極的に守りたいものは、天から与えられためいめいの命です。どんな外力をも排して、守り貫かなければなりません。

人間の一番残虐な行為は、自らを守るために他を殺すことです。人命を守ることは人間の本性でなくてはなりません。アルベルト・シュバイツァーは次のように述べています。「人間に対する真実の愛(いのちへの畏敬)とは、ともに経験し、ともに苦しみ、そして助けること」つまり相手のことを自分のように考えること、「恕す」ということです。

シュバイツァーは人生の最後にノーベル平和賞を受賞していますが、我々も彼の発言に従って平和を守りたいと思います。

W・オスラーが言う如く、人のいのちの重要性は、医師が一番よく知っています。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと私は考えています。

2015年7月6日

聖路加国際病院 名誉院長 日野原重明

*「院内集会 7.9安保法制に反対する医療福祉関係者のつどい」に日野原先生から寄せられたメッセージです

参加者は、最後に[私達医療人は、いのちを奪う戦争法案に反対します」のポスターをかかげてアピール。集会には、日野原先生の他、長崎大学元学長/元医学部長の土山秀夫医師や全国自治体病院協議会会長の邉見公雄医師、鳥越俊太郎さん、宝田明さんなどからもメッセージが寄せられました。
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メッセージ

 

今回の「安保法制」に対しては、憲法学者による圧倒的多数の違憲表明や元内閣法制局長官らによる手厳しい批判に対して、集団的自衛権の行使を合憲とする安倍政権の反論は、全く反論になっていません。高村副総裁のひねり出した砂川判決や、72年の政府見解のこじつけ解釈を繰り返すばかりで、安倍首相のいう「国民の皆様への丁寧な説明」がこれですから情けない限りです。国民もバカではありませんから、その間のカラクリはすでに見破っていて、世論調査の度に「国民への説明が不十分」の比率が上がっていくばかりではありませんか。外国への支援のために、場合によっては地球の裏側まで自衛隊を派遣するような戦争法案に、私達は断固として反対します。その立場から、私はこの集会の呼びかけ人の一人になることに賛同します。

 

長崎大学元学長/長崎大学元医学部長 土山秀夫

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*メッセージ

 

本日、九州ブロック会議で沖縄です。メッセージのみでこらえてください。

我々医療人にとって倫理に背く職業的最大の悪事は戦争です。生命の大切さなど全ては平和あってこそです。ホルムズやマラッカも先の敗戦の大義と同じです。

私の父は軍医としてフィリピンルソン島で傷病兵を守って赤十字の旗を立てていたのに連合軍に爆撃され戦死しました。こんな経験を誰にも味あわせたくありません。

日野原先生は大学の先輩、瀬戸内寂聴師(95際で四国で元気)は母の徳島高女の一年後輩(寮の門限破りの常習で母が裏門から入れていたと)、皆平和国家の行く末を危惧しています。

戦争放棄核武装しか血を流さずに国を守る方法はありません。皆さん一緒に考え行動しましょう!

 

2015年7月9日

 

公益社団法人全国自治体病院協議会

会長 邉見 公雄


torigoetakarada*日本イラク医療支援ネットワーク事務局長の佐藤真紀さんが月刊保団連に寄稿されたものを紹介しておきます(クリックするとPDFで読むことができます)。この日の集会で流されたメッセージビデオについては、許可が得られ次第公開します。

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