2014 年10 月
「九条の会」アピールを支持する医師・医学者の会
(九条の会・医療者の会)
呼びかけ人

2014 年7 月1 日は、69 年間にわたる戦後日本の政治と世界の未来を暗転させる歴史的な日となりました。安倍晋三内閣は、国民の多くの反対と疑問の声を押し切って、集団的自衛権行使を容認する新たな憲法解釈を閣議決定しました。これは、解釈改憲クーデターというべき深刻な事態であり、戦争準備と明文改憲に向け大きく舵を切ったことになります。日本の自衛からアメリカによる戦争まで、まさに「切れ目のない」、どのような場面にも日本による武力行使を可能とする体制づくりを加速させるでしょう。そして、自衛隊法、周辺事態法、PKO 法等の「改正」準備など、特定秘密保護法に続けて「海外で戦争できる国」の本格的な法体系づくり、日米防衛協力指針(ガイドライン)の踏み込んだ再改定、軍需産業の振興などへのゴーサインとなるでしょう。また、国家安全保障会議はすでに創設され、辺野古の最新鋭米軍基地建設も強権的にすすめられています。
2004 年、九条の会の呼びかけに応えて、医療者の会が発足して今年で10 年となりました。医療者の会は、医療者の集まりらしく、9条を守りぬくとともに人間の安全保障としての25 条の実現をともに考える多彩な講演会や行動を全国で実践してきました。出生率、自殺率、相対的貧困率、いずれのデータをみても、今日の日本は世界最低、最悪クラスとなっています。実に生まれづらく、生きづらい国となってきたにもかかわらず、安倍内閣は社会保障費の削減、医療介護分野の効率重視と産業化のための「改革」をすすめています。すべての人の命と健康への貢献を社会的使命とする医療者として、黙っておれない事態です。
医療者九条の会は、集団的自衛権行使容認に反対、「海外で戦争できる国づくり」は許さないという行動を全国津々浦々で一気に強めることを宣言します。特に、立憲主義の擁護、「戦争から若者の命を守れ」の視点で、多くの法律家や教師、そして若者、さらに日本の憲法九条に共感と期待を寄せる世界の人々との共同の輪を広げます。九条の会から提案されている秋の行動を全国各地で準備し、すべての県で医療者の会の活動強化や設立を呼びかけます。また、全国的な行動が効果的に推進され、賛同者のいっそうの拡大めざして事務局機能の再確立と強化を図ります。
全国で日々、人の命と健康に関わっている医療・介護職のみなさん。戦争か平和か、日本は戦後最大の歴史的な岐路に立っています。Peace and Health for all を実現するために、今ここで発言し、行動しましょう。