９条の会・医療者の会 第１回連続学習会 徳田安春先生のビデオです
９条の会・医療者の会は、２０２３年１月２１日に、第１回連続学習会を開催しました。
トップバッターで講師をおひきうけいただいたのは、群星沖縄臨床研修センターの徳田安春先生です。先生は、聖路加国際病院で医療者の会の呼びかけ人のお一人でもある日野原重明先生に師事されたこともある先生です。
当日の録画です。ぜひ御覧ください。レジュメは以下に添付しておきます。
（徳田先生の講演レジュメにも、日野原先生がどのように語っておられたかのエピソードが掲載されています）
講演会レジメ：徳田安春
日本国憲法の柱は国民主権、平和主義、基本的人権の尊重
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 ② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない
憲法があるから日本復帰した沖縄
沖縄の平和と人々人権はどう扱われているか？
広がる冷笑主義とニヒリズム：ひろゆき氏の発言
沖縄の人々を分断する政府と政権政党の政策
日野原重明先生1911～2017、105歳まで現役の医師
ロールモデルのオスラー先生から平和について学ぶ
医師にとって最も重要なこと：戦争をさせないこと
カント、「不戦」より強い「非戦」が必要
カイヨワ、「他国と対決することにより、国家は自己を肯定し、自己を正当化し、自己を高揚し、強化する。その故にこそ、戦争は祭りに類似し、祭りと同じような興奮の絶頂を出現させるのである。そして祭りと同じように一つの絶対として現われ、ついには祭りと同じ眩暈と神話を生むのである」
日野原先生の提言：自衛隊を世界的な災害救助隊へ
世界保健機構の提言
医師と医療従事者が、平和を維持し促進するための行動をとることが、すべての人々の健康を維持するのに最も重要である
アメリカの医療改善研究所のドナルド・バービック先生
社会的な不正義の状況での沈黙は避けるべき
沈黙は賛同
銃規制を進める運動に参加
普天間基地の廃止・辺野古新基地反対・命を守る医師連絡会：平安山英盛先生
辺野古収容所生まれの医師
医師が辺野古新基地建設に反対する理由：生命を大切にするのが医療の目的
バナード・ラウン先生：1921年リトアニア生まれ、2021年2月16日に99才で死去
除細動器を発明した心臓専門医、学会で同席したソ連の医師たちと共同して平和活動
「生存のための処方箋」として軍拡病（disease of militarism）への特別な処方箋
核戦争防止のための国際医師団を結成し、当時のゴルバチョフ大統領と面談
核軍拡競争を直ちに止めるよう提言：核実験を止めて核弾頭を減らすよう具体的に助言
1985年にノーベル平和賞を受賞
1986年の核兵器6万4449個→2017年1万4900個
世界的な軍拡病への継続治療が必要
核兵器禁止条約
2017年7月7日、核兵器禁止条約が122カ国の賛成で採択されました
2021年2月22日現在 署名：86か国・地域、批准：54か国・地域
核兵器禁止条約に日本政府も署名・批准することが大切
ネバーイベント（起こって欲しくないこと、予防に努めていること）でも起こりうる
医療者も核軍縮のための活動をする理由とは？
Never event never stops.
病院ではある種のネバーイベントが起こりうる：実際に世界中の病院で起こっている
それは医療事故：死亡事故や後遺症を残される：残念ながら医療事故は100％防げない
医療事故は悲しくて残念、しかし予防対策が講じられてはいても万が一には起こる
核戦争もネバーイベント
ネバーイベントの起こる可能性はゼロではない：核抑止力論の盲点
誤認・誤解から偶発的核戦争
ネバーイベントを完全防止するには廃絶しかない
スタンリーキューブリック監督映画、博士の異常な愛情：偶発的核戦争のリスク
ABC災害「Atomic Biological Chemical」は沖縄で現実に起きてきた（いる）
基地化のリスク
戦争でのターゲット
事故や災害はおこる
Atomicアクシデントと汚染
沖縄に約1400発の核兵器が装備されていた背景が原因
核兵器発射事故：那覇核ミサイル事故
1959年6月19日に那覇の米軍空軍基地
核弾頭を搭載した地対空ミサイルがミスにより誤って発射され東シナ海の海中に沈んだ。
米軍が後日極秘回収？
事故直前、部隊には「戦争」を意味する緊急事態の指令が流れていた
誤射の後、もう１基を発射させようとしていたことがのちに分かった
1962年、キューバ危機：ソ連の原子力潜水艦が米軍の攻撃を受け核ミサイル発射寸前
1965年、水素爆弾を積んだ戦闘機が、沖縄島の北110キロの海上で、パイロットと共に空母から水中16000フィートの海底へ転落、いまだに沈んでいる。
イラク戦争時、米軍は沖縄の久米島近く無人島で劣化ウラン弾を千発以上打ち込む訓練を実施、放射能被曝の調査は不十分、その実態は不明
原発事故：スリーマイル、チェルノブイリ、東海村、福島
Biological 災害とパンデミック蔓延リスク
1965年、沖縄の先天性風疹症候群の流行は米軍基地由来
多数の子供たちが難聴で生まれた、北城ろう学校
2020年以降、沖縄の新型コロナ流行
新型コロナウイルスの起源、武漢ウイルス研究所リークの可能性は排除されていない
研究所リーク説、中国と米国を含む大国が、生物兵器予防対策研究と称して生物兵器製造
遺伝子でのgain of function操作を規制する国際的ルールが整備されていない
旧日本軍の731部隊から生物兵器情報を独占的に引き継いだ米軍
日米地位協定で闇に囲まれた米軍基地への搬入や貯蔵が行なわれるリスクは高い
731部隊が行った非人道的行為に反省の無い日本医療界：医学部の歴史教育に含まれず
医学の歴史からのほぼ抹消されており、多くの医学生は知らない：
ドイツとの対照性：ドイツではナチスの人体実験については小学生から教えられる
悲しくても、この歴史を教えることは重要：再発予防のために必要
医学教育学会はプロフェッショナリズムとして、歴史の真実を検証して学生に伝えるべき
Chemicalアクシデントと汚染
1969年、沖縄の嘉手納の弾薬庫内でVXガス放出事故が起き、米軍関係者24人が病院に収容。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたため、VXガスが全面撤去
ベトナム戦争当時、枯葉剤ダイオキシンやPCBなどの汚染物質を基地土壌内に埋めた
PFAS問題が深刻化しており、PFOSやPFOAなどの有害性残留フッ素系有機化合物
分割されにくくforever chemicalとも呼ばれ泡消化剤として航空基地で使用されている
安全に処理されずに放出され、基地周辺の地下水や土壌が高濃度で汚染
自衛隊那覇基地からのPFAS大量リーク事故を当初隠蔽した防衛省
軍事基地と戦争は健康問題
殺人、暴力、事故、騒音、汚染
健康問題でもある
医療者や医学者も声を挙げ研究すべき
騒音汚染
肥満、高血圧、心筋梗塞、脳卒中
北海道大松井教授の試算：騒音で年間：睡眠障害1万人、高血圧千人、死亡４人
沖縄と生活習慣病
スパムの語源
公衆衛生を超えたパブリックヘルスの大学院を提案：
貧困と健康格差を扱う社会疫学、環境疫学、栄養疫学、感染症疫学が必要
研修医がいのちについて学ぶ機会
患者の人生歴を聞くことの大切さ
医学教育で有名なティアニー先生の教育回診：患者の人生歴を聴き出すこと
9条の会・医療者の会講演会レシ゛メ230121（徳田先生） 9条の会・医療者の会講演会英文資料230121（徳田先生）
